月が綺麗

かの有名な夏目漱石は「I love you」を
「月が綺麗ですね」と訳したそうだ。
有名な話だが、それを知っている人は
本当に月が綺麗でも、
恋愛関係になる可能性のある人と
「月」と「綺麗」の話題を話したい時に変な気持ちになるのではないかと思うのだ。
そのドキドキも、いいかもしれないけれど。


月が綺麗ですねのシチュエーションを考えてみる。


1.隣同士、夜空を見上げていて…


「月が綺麗ですね」
『そうですね』
同じ空間で、同じ風景を見ている
隣にいながら、互いを見つめ合うのではなく
遠くにある 共通認識の「月」を眺める
一つのものについて、
二人で「月」が「綺麗」ということについて邪念なしに話している。


・遠くにある対象に対する共通の意識
→遠い=将来と例えることもできるだろう
・生々しい言葉ではなく純粋に、二人以外のものについて楽しめる関係


これが、「I love you」の正体なのか。


2.一緒にいないけど 同じ空をみている


電話でも、メッセージでも構わない。
同じ時間に 会話をしている状況で、
ふと、夜空に目を向ける。
今夜は月が綺麗だなぁ。
君の場所からも同じように見えるのかな。


「月が綺麗ですね」
『そうですね』
離れていても、
この月を君も見ていたら良いなぁ、
同じものを眺めていたい、
二人の距離が離れていて
同じ世界に存在していることの証明。
誰にでも見えるものを、
君と共有したい。君に伝えたいんだ。
月が綺麗だと伝え、本当だねと、
相手も 認識した時、
初めて、この月は 全人類共通の月ではなく
二人の世界の「月」になる。


すき=月
もっともっと=綺麗


love >>>>>like


っていう考えも面白いと思う。


好きが愛に変わるところは、どこか。


っていうか、愛とか恋とか
そういうのなしで惹かれ合いたい。


おねむりん